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ウズベキスタン② 川端 良子さん

ウズベキスタン共和国国旗,ウズベキスタン

ウズベキスタン共和国

日本ウズベキスタン協会 理事長/国立東京農工大学 准教授
川端 良子さん

協会とご自身について教えてください。

当協会は、現在会長を務めるジャーナリストの嶌(しま)信彦氏によって、1998年に設立されました。 会報の発行や講演会、交流イベントなどを通じて、ウズベキスタンとの人的交流を推進しています。 また、私個人は准教授を勤める東京農工大学においても、養蚕振興と農村女性の自立化を目的とした「ウズベキスタンの農村復興計画」を手がけるなど、多岐にわたり両国の友好親善活動を行っています。

ウズベキスタンの印象を教えてください。

当協会が設立された頃、私は農学の博士号を取得したばかりの学生で、中央アジアにおける水環境と農業の特別研究員としてタシケントに留学していました。 ソ連独立後の経済不況真っ只中で、物資も不足しており、何もない地方へ調査に出向く際にはタシケントで色々なモノを大量に買い込まなければならず、とても苦労しました。 その頃に比べると、現在は国全体がとても豊かになったと感じます。

しかし残念だと思うことが1つ。それは、現地における日本ビジネスの雇用が不十分であること。 実直な日本抑留兵たちの姿が世代を超えて語り継がれている親日国なので、日本人と知れば初対面にも関わらず手厚くもてなしてくれますし、日本に興味を持ち日本語を学ぶ学生たちは非常に多いのです。 しかし、日本語を活かせる就職口が国内にはほとんどありません。現在ウズベキスタンで暮らす日本人は約150人ほどで(※) 、そのほとんどがJICAや政府機関の関係者。 中国や韓国に比べ、民間企業の進出があまり成されていないため、雇用を生み出せていないのでしょう。今後少しでも多く就職口が増え、両国関係の拡大、発展に繋がることを期待しています。

※2020年10月現在:外務省


ウズベキスタン人,ウズベク人
ウズベキスタン人,ウズベク人,中央アジア
写真提供:駐日ウズベキスタン共和国大使館

「ウズベキスタンの農村復興計画」について教えてください。

フェルガナ地域は1,000年以上の歴史を持つ養蚕の産地で、絹糸を使用した織物の「アトラス」は 国を代表する伝統工芸品です。しかしソ連崩壊後の経済不況により、養蚕業や絹産業は停滞して しまいました。そこで、立ち上げたのがこのプロジェクトです。JICAの草の根技術協力事業として、 日本の養蚕技術を導入し質の改良と向上を図り、養蚕の復興と安定した収入確保を目指しました。加えて、小物を中心としたアトラス製品の開発や販売も支援しました。
研究調査で地方に訪れた際、 離婚によって生活に困窮する女性たちの話をよく耳にしたのですが、地方におけるウズベキスタン家庭の大半は、夫や父親が家計や就労を厳格に管理していて、妻や娘たちは自由に働きお金を使うことができずにいました。 この実情を知り、アトラスの小物製品を作り販売することで、農村の女性たちに経済的な自立を目指してほしいと考えたのです。 もともと手先が器用な人たちでしたし、ミシンを持っている家庭も多く、外出を禁止する厳しい夫や父親がいても、小物品なら家にいて作ることができますよね。
ウズベキスタン人,ウズベク人
ウズベキスタン人,ウズベク人,中央アジア
ウズベキスタン料理,プロフ,米料理

慣れないうちは戸惑っていましたし、同じサイズやクオリティで同じ製品を作る感覚が無かったことや、原価計算ができなかったことなどの苦労はありましたが、 自分で作った製品が店に置かれ多少高額でも売れることが解ると、技術だけでなくモチベーションも上がっていったようです。 このプロジェクトで稼いだお金で、孫に液晶テレビをプレゼントした、なんて嬉しい声も届きました。

商品について教えてください。

現在一村一品マーケットで販売しているアトラスの商品は、前途のプロジェクトで制作された品々です。 デザインは、日本で開催したハンディクラフトコンテスト入賞作の型紙や作り方を基にしています。 現地では、世界遺産のイチャン・カラ遺跡内の専門ショップ『CoCoon(コクーン)』で販売しています。 一番人気は「くまのぬいぐるみ」。ガイドブック「地球の歩き方」や報道番組「NHKワールド」などのメディアでも取り上げられ、観光客から大好評です。 コピー商品が出るほどなんですよ(笑)。JETROと共同で開発した「シュシュ」も反響を呼んでいます。

写真提供:日本ウズベキスタン協会

ウズベキスタン協会やご自身の今後の活動について教えてください。

日本で多くの方に買っていただけることが、現地の作り手のモチベーションアップに繋がっています。 彼女たちは自信をもって次なる製品を作り、販路を拡大しようと積極的に動き、最終目標の「ウズベキスタン国内でより多くの商品を売る」ことへ向けて、大きく前進していけるのです。 そのために、日本での販売は非常に重要なことだと考えています。前途のプロジェクトは2015年で既に終了していますが、両国の架け橋となるべく、今後も様々な商品や活動を提案していきたいと考えています。

★「ウズベキスタン共和国 シルクロード農村副業復興計画ーフェルガナ州における養蚕農家の生計向上モデル構築プロジェクトー」の詳細はこちら

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